ブエノチキン二代目ブエコ代表トリ締役への道。

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◎琉球新報コラム第7回「チキンと売らない」

2015年01月13日

◎2014年7月〜12月に琉球新報で掲載させていただいたコラムです。全13回
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 第7回 / 2014年9月25日掲載『チキンと売らない』
 琉球新報での掲載はこちら
 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-232069-storytopic-13.html
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「このチキン、毎日食べても飽きませんよね」

「飽きますよ~」

「えっ、飽きませんよ!」

「いえいえ、飽きると思いますよ~」




ある日のお客さまと母サチコの会話。

飽きないと言っているのがお客さまで、

飽きると言っているのが母サチコだ。





私たち家族が販売しているチキンの丸焼きは

2時間かけてじっくり焼くので余分な脂が落ちている。

そのため飽きずに食べられると言って

定期的に来てくださる方が多く、

中には10年間、毎週必ず買いに来る方も。




それでも飽きないとの褒め言葉に対し、

かたくなに「飽きる」と言い張る母サチコ。



チキンを売りたいのか売りたくないのか、

お客さまは大変困惑したことだろう。

そんな母の言葉に、飽きさせたくないという職人気質を垣間見る。






「1羽ください」

「えっ、お2人で1羽は多すぎです!」

「でも食べられそうですが…」

「いえいえ、半羽で十分ですよ~!」



ある日のお客さまと母サチコの会話。

うちのチキンは酢に漬け込んでいるためさっぱりした味わいで、

小柄な私でも1人で半羽ぺろりと食べられる。

だが、多めに買っていく方に対して

多すぎると言い張る母サチコ。




「半羽でいいんじゃありませんか?」

買う数を減らされるなんて

お客さまは大変困惑したことだろう。

そんな母の言葉に、ちょうどいい分だけ食べてほしいという

職人気質(かたぎ)を垣間見る。





一品でも多く売り、一円でも高く売り上げる。

そのために努力するのが商売の常だ。

母サチコの引き算の姿勢は、そんな商売の常識を根底から覆す。




一説によると企業の30年生存率は0・025%。

両親がコツコツ続けた店は来年で33年目。

一体どんな秘訣(ひけつ)があるのか、

母サチコの引き算の姿勢を

チキンと、いや、キチンと学びながら、

2代目としてさらに30年コツコツ歴史を積み重ねたい。


(幸喜ブエコ朝子、「ブエノチキン浦添」2代目)



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